1. Olinでの2年間を振り返ってどうでしたか?
状況を前向きにとらえて工夫をする大切さを学びました。というのは、1年生の最後にコロナが勃発し、全面ロックダウン、大学プログラムもほぼすべてオンラインに移行し、オンラインが主体の状況は卒業まで続きました。楽しみにしていたプログラムやイベントがキャンセルされ、多くの人から「せっかくのMBA留学なのに残念だね。。。」と声掛けいただきました。確かにできなかったことはあります。しかし、だからこそできた経験もありました。例えばすべてのイベントがオンラインになったからこそ現地に来ることが難しい海外のゲストスピーカーを招致したり、会社見学に行けないところを「バーチャル会社訪問」として動画に収めたものをイベントで流してもらいながら解説してもらったり、色々工夫はできます。また、人と会えないからこそ、久しぶりに会った際にその時間を密に、特別にできました。どんな状況下においても現実をとらえた上で良い面に注目することが大切です。
また、2年間のうちにいろいろな文化体験ができたことで、自国日本について相対的な見方ができるようになりました。アメリカはもちろんのこと、インド、ベトナム、中国、タイ、イスラエル、スペイン等々の文化・慣習を体験し人々の根本の考え方の違いを目の当たりにできました。「日本が主」の見方から「世界の中の日本」、という視点に変わったのは自分の中の大きな変化です。
2. Olinの特徴は何だと思いますか?
まずは、Global Immersionに代表される独自のプログラムです。MBAのスタートから1.5か月もの長期間全クラスメートとワシントンDC&2か国を回って共通体験をするのでクラスの団結力は必然的に強くなります。他にもGMSという学生でプログラムをすべて組んで海外での研修旅行をするプログラム(日本は6年連続で開催地になっています)や、イスラエルでのスタートアッププログラム等、グローバルを志向したものを多くそろえています。
そして、協調的な文化です。グループラインではいろいろな情報が行き交いますが、ヘルプ要請→はい喜んで!というやりとりが多いです。人助けは喜んでするもの、といったプログラミングがされているのではないかと思うくらいでした。個々人が良い人という面はもちろんありますが、オーリンの文化として協調性は根付いていると感じます。
あとは、やりたいと思ったことは実現できる土壌です。私はアジアクラブとファミリービジネスクラブのプレジデントをやりましたが、潤沢な資金、教授や友人、ゲストスピーカー等々多くの手助けによってさまざまなイベントを企画・実行できました。自分で考えて動きたいと思う人にとっては非常に心地良い環境だと思います。
3. セントルイスでの生活はどうでしたか?
程よい都市であり、私には合いました。1年生の最後に車を購入しましたが、あるのとないのとでは行動できる範囲が大きく変わりますので可能であれば持たれるといいと思います。
懐かしく思うのは大学に隣接するフォレストパーク(NYのセントラルパークの約2倍)の開放感あふれる自然です。これ以上ないほど素敵なパークです。このパークのおかげでランニングが趣味になりました。大学選びの際には実際に足を運んでフォレストパークも見学されることをお勧めします。
大学のすぐ近くに日本食がなんでもそろっているアジアンスーパーがあり、日本の調味料等問題なく手に入ります。おいしい日本食レストランはなかなかないのですが、(あっても高いです)おいしいラーメン屋さんは大学の近くにもありよく行っていました。
にぎやかな商店街があり、おしゃれなバー等が多くある通りがあり、自然があり、高層ビルの立ち並ぶエリアもあり、なにより地元民はセントルイスが大好きです。私も好きになりました。
4. Olinの受験生に向けて一言お願いします。
MBAの学校選びで最も大事なのはその学校・場所を好きになれそうと思えるかどうかではないでしょうか。進学先を検討していた際、元々Olinは第一志望ではありませんでしたが、実際に訪問して変わりました。受かった大学をそれぞれ訪問しましたが、フィーリングの合う、合わないを感じました。それはその場所の好き嫌いもそうですし、提供しているプログラムの特色を理解し、通っている学生等々と触れてみて、最終的には直感的に感じるものだと思います。決めた後、その選択を正解にするのは自分自身が何をするかです。逆に言えば志望校選びはそれほど重要ではなく、選んだ先で何をするかが大事ということです。
私がもう一度MBA校を選ぶとしたら、自信をもってOlinを選びます。人生に2度とない自由な学生に戻れる2年間です。楽しんでください。